ある動画を見て印象に残ったことをメモさせてください。
◆デザイナーの思考
最近の信号機って、薄いものがあります。松本市内にも多いです。
これをデザインした方は、薄いことに目的があるというのです。
薄くできるようになったのは、LEDの進化で信号機が明るくなり、カバーをつけなくてもよくなったという技術の進化が背景にある。そして、薄くすることでさまざまなコストが安くなる。ここまでは普通です。で、もう一つあるんですね。
「信号が薄くなることで、信号を見上げた時、空が広くなる」
そういうことなんですね。
◆単機能家電のデザイン
家電に限りませんが、電化製品は「あれもできる、これもできる」というのが売りなことが多いです。この発想を逆にするというのです。
その製品のそもそもの目的を掘り下げ、使う人・場所・時間などを突き詰めていく。
すると、その製品に必要な機能がひとつに絞り込まれてくる。
ひとつの機能だけの製品にするととてもシンプルなデザインになる。お米を炊くだけの炊飯器は、見た目「炊飯器」とは思えないシンプルでお洒落なデザインになっていました。しかも、正方形なので収納性が高い。場所を取らない。
◆ミニマリスト的生活の本質って
生活そのものを単機能にするということではないかと思いました。
早期退職していますから、暮らしに必要なものって、そんなにありません。今の暮らしに必要なものって何だろうと掘り下げていくと、物欲が消えていきます。正確に言えば、物欲はありますが、「買ってどうする」と考えると、その先はないわけで…「ほしい」と感じたのは、使うためではなく、買うことが目的だった…つまり「物欲を満たしたかっただけ」ということがわかります。
◆ものを減らすことで思考が広くなる(といいな)
「信号機を薄くすることで、空が広くなる」「そもそもの目的を掘り下げると、単機能になる」という言葉が何だか深いところに入ってきたのです。
「断捨離×ミニマリスト的生活」を言い換えると、「暮らしの単機能化」かもしれません。今日は、お仕事の原稿も、大学のレポートも、「あれもこれもという網羅的な発想」から、「単機能的な発想」を意識してみました。すると、迷うことが減り、作業スピードが上がりました。
今は、「余分なものをそぎ落とし、単機能化することで空が広くなる」という言葉にしかなりませんが、この言葉で、今の暮らしの意味が腹落ちしました。
というわけで、来週金曜日〆切の原稿に、今から取り掛かります。