55歳で退職したおじさんのブログ

投資・副業・役職経験のない平凡なサラリーマンでした。贅沢しなければ辞めても暮らせる程度に貯まったので早期退職。「健康で文化的なビンボー生活」を楽しみつつ、旅行、沖縄、小説、アーリーリタイア、健康、メンタルヘルス、シニア、ライフスタイル、不動産購入、ブログ、日々の暮らしなど記していきます。

昭和から平成の頃、渋谷駅に「勧誘」がたくさんいたこと

 

東京で暮らすとホームタウンがそれぞれできる

 高校以降、実家は世田谷にありました。

 京王線小田急線との中間点というのは、便利なのか不便なのかわかりませんが、最寄駅から徒歩15分というと「近い」が東京の感覚でした。駅までは自転車で移動。雨の日は、バス停まで5分歩いてバスに乗って小田急線が定番。

 で、行き先は、渋谷か新宿。池袋は怖かったです。

 渋谷は、道玄坂ヤマハで買い物、NHKホールで演奏会、ジャンジャンでライブ。

 新宿は、紀伊国屋で買い物か観劇、あとは映画でした。

 

当時の渋谷に多かったのは…

 見た目25歳前後の若い女性が話しかけてくるんですね。

 一応東京で暮らしていると、特に4月に「そういう人が駅にいる、勧誘にのってはいけない」ということを知っていました。ですから、そういう人に話しかけられても無視していましたが、考え事している時に不意に話しかけられると足が止まってつかまることもありました。宗教系が多かったですね。

 他愛もない話題から始まり、やがて悩み事はないですか…とくるのが共通パターン。

 この時、家族のこと、大学での人間関係に悩みがある…と言うと、深掘りされます(笑)。そして、場所を変えて…とくるんですね。たとえば、大学進学や就職で、地方から上京してきた若者なら、ここで付いていくこともあるかもですね。

 埼玉県の自宅から通学している大学同期についていったヤツがいます。とても良い人だと思って、悩みを真剣に聞いてくれて、ルノワールでケーキセットをおごってくれたそうです。本人は、何も気づいていませんでした。

 たぶん、無事に済んだのは、彼女が「自宅」から通学していることがわかったからじゃないの…というのが、同期メンバーの推測。

 

勧誘内容のパターン

 ①新興宗教の勧誘

 ②購入すると全国の映画館で無料~半額になるチケット(20万円くらい)

 ③英会話教材

 私の周辺では被害にあった人はいなかったのですが、あぶなかった仲間はいました。

 でも、それ以上に困ったことは、高校~大学がミッションスクールでしたから、一種の風評被害がありました。その手の新興宗教には「キリスト教」を名乗ったり、聖書の教えを標榜する団体も多かったです。そうすると、大学名を言うと「怪しい宗教を信じている人」という扱いをされることもありました。

 ちなみに、同じ大学の同級生と結婚した友人は、祖母から「大学の偉い人からこの人と結婚しろと言われたのではないか、教会で結婚式をするというが他の人と一緒の結婚式ではないか、本当に自分で選んだ相手なのか」と何度も聞かれたそうです。

 

医療の現場でも

 医学部の小論文・面接などでは、「もし、宗教上の理由から輸血を拒否された場合、どうするか」というテーマがあります。途上国の医療支援でも、その地域の宗教観や価値観が、科学的で良心的な医療を拒む場合があります。

 むずかしいですね。

 むずかしいですけど、正解はないですけど、何とかできないでしょうかね。

 個人的には、「新興宗教」と言われるものの方が、「古い原理」に囚われているような印象があります。それが「信仰の自由」という大きな概念に守られてしまっているんですね。

 

 封建的な抑圧に対して、解放・自由が求められました。

 科学のない時代に宗教が生まれました。

 これからは、抑圧の反対語としての自由ではなく、自由という概念そのものを考えた方がよいでしょう。同様に、科学によって世界のしくみが解明される中で、宗教のあり方も見直した方がよいでしょう。

 そうしないと、自由と宗教とが不幸の根源にになりそうで怖いです。