55歳で退職したおじさんのブログ

投資・副業・役職経験のない平凡なサラリーマンでした。贅沢しなければ辞めても暮らせる程度に貯まったので早期退職。「健康で文化的なビンボー生活」を楽しみつつ、旅行、沖縄、小説、アーリーリタイア、健康、メンタルヘルス、シニア、ライフスタイル、不動産購入、ブログ、日々の暮らしなど記していきます。

悪意のコスト、正論のコスト

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 学校の先生が大変…というのは、以前から言われていたこと。

 昨今、頭髪指導・制服論争・校則改正・部活動指導…が話題になっていますが、元教育担当としては、ちょっと的外れな印象も受けます。そもそも、かつての私の主担当が、「教育・医療・福祉」だったことに疑問はありませんか(笑)。

 この3つの分野は、社会の「セーフティーネット」です。とても重要です。

 しかし、教育の「目的」がセーフティーネットになってしまうと、「学問・研究」の発展が望めなくなります。それはそれで、国が滅びます。

 

学校は、先生方の「善意」で支えられている

 いわゆる「学園ドラマ」に出てくる先生は、「善意」と「悪意」とで設定されています。主人公は「善意」、管理職は「悪意」ですね。

 で、世間は、先生の「善意」を期待します。やがて、これがスタンダートになります。学園ドラマを見て教員を志した人が、先生になってからです。フィクションがリアルになるんですね。

 この状況は、生徒さんや保護者の方が求める「善意・熱意」とマッチします。ですから、この頃は、新任の先生でもがんばれたのですね。そして、PTA・保護者も「若い先生を育てる」ことが、「我が子の成長につながる」という認識を持っていました。

 

善意に付けこむ人もいる

 性善説の人が失敗すると、「脇が甘い」って言われるんですね。

 確かにその通りなんですけどね。

 善意の人は、性善説なので、悪意に気付きにくいのです。結果、善意の人が責任を問われることになります。その時、立場が上の人間が救ってあげないといけないんですけどね…。悪意に付けこむ人って、権威に弱いことも多いので。

 

先生に伝えられる相談は、子供の問題なのか、保護者の問題なのか…

 「子供が言うことをきかない」…が枕詞の相談も多いです。

 ある意味で、「子供が言うことをきかなくなる」のは正常な反応です。で、これを深掘りしていきます。そうすると、「以前は手の掛からない子だったのに」となり、言うことをきかないのは、「高校卒業後の進路」についてで、「学校の先生が子供を洗脳している、親の意見を尊重しない」となってきます。

 ネット記事になるのは、ここまでですね。

 もう少し掘り下げると、これが「嫁姑との関係性」ってことにたどりつきます。子供の成績(どんな学校に行くか、どこに就職するかも)は、「母親の評価」でもあるんですね。つまり、「子供が言うことをきかない」は、「姑(舅)が、自分を認めてくれない・評価してくれない」と翻訳できます。

 ここまでは、ある程度の人生経験やトレーニングを受ければ不可能ではありません。

 しかし、これを読み取って、「それは嫁姑の関係性、ご家庭の問題ですね」って伝えること、嫁姑問題に関わることが、「学校の先生」のお仕事なのでしょうか??

 ここで、スクールカウンセラーの必要性が発生します。つまり、専門家にパスするんです。特に、都心部の私立学校に多いのですが、生徒よりも保護者の方が、スクールカウンセラー利用が多いんです。保護者の予約が多すぎで、生徒が受けれない…ということもありました。

 

これを、社会の縮図としてみることもできなくはない

 要するに、「子供のことは妻に任せた」って価値観を捨てましょうです。

 「○○大学に子供を入学させました」というお母さんの教育論が本になっています。  

 この考えの背景に、「子供の教育は母の責任、母の評価」という価値観が見え隠れします。あるいは、「子供の評価=自分の評価」に悩んでいるお母さんには、そう見えるでしょう。それが、ぐるっと回って「子供を苦しめている」んですね。

 この対応を「教育」に強いるのは…ですね。

 

 という話題で、昨晩ちょっとお話しました。昔の同僚と。