55歳で退職したおじさんのブログ

投資・副業・役職経験のない平凡なサラリーマンでした。贅沢しなければ辞めても暮らせる程度に貯まったので早期退職。「健康で文化的なビンボー生活」を楽しみつつ、旅行、沖縄、小説、アーリーリタイア、健康、メンタルヘルス、シニア、ライフスタイル、不動産購入、ブログ、日々の暮らしなど記していきます。

高校生の修学旅行

 知り合いの先生の学校ですが、今月、修学旅行に行けたそうです。

 大変だったと思いますが、よかったですね。

 

修学旅行の準備は、入学時から始まる

 実施は高校2年生の12月ですが、準備は入学時から始まります。

 まず、費用の積立。

 公立高校の場合、国内=約8万円、国外=約16万円を上限とする規定があります。

 もちろん、参加する学校の先生も参加費を払います。先生の支払いは、修学旅行終了後、一括です。

 その後、行き先・テーマの決定~旅行業者の選定になります。

 

その高校では、1年生の後期から「生徒の修学旅行委員会」を立ち上げた

 行く・行かないの決定から、行かない場合どうするかまで、生徒に情報提供して、大人も一緒に考えたそうです。

 生徒たちも、行きたいと熱望から、行きたくないまで、幅があったそうです。

 ニュースでは、子供たちがかわいそう…が多かったのですが、高校生は、もっと冷静なんですね。

 ちなみに、生徒提案の一つは「緊急事態宣言がかかったら無条件自動中止」。根拠は「コロナに感染した場合、確実にクラスターになって医療資源を奪う」「コロナの後遺症で、運動部の選手の選手生命が断たれる危険がある」だったそうです。

 

大人の事情も浮き彫りになる

 保護者の中に、反ワクチンというか、思想信条として家族にワクチン接種はさせないという方もいらっしゃったそうです。

 ワクチン接種をさせないという保護者のお子さんは、保護者から登校や修学旅行の参加を禁止されているとのことで、これは、とても難しい問題ですね。

 一方で、緊急事態宣言だろうがなんだろうが、「登校&対面授業&修学旅行の実施」がマストと主張する保護者の方もいます。

 こういうことも含めて、生徒たちが考えたということですね。もちろん、生徒個々の情報を先生から伝えることはしません。修学旅行委員が、生徒一人ひとりと面談(ネット経由)して、個々の考え、事情などを聞き出し、それを委員会で報告して、どうすればよいかを考えたのです。

 

修学旅行委員会の振り返りに立ち会いました

 最初は、「行く・行かないは個人の自由、個人の意思で決めればよい」と考えていたそうですが、「どうもそういう単純な話ではない」ということがわかったそうです。

 中止の場合の「キャンセル料」などの事務的なこと。季節料金で費用が大きく変わる事。緊急事態宣言中に修学旅行を実施した場合のさまざまなリスク。実施できる状況になった時、本当に全員で行けるのか…。などなど、さまざまな要因を知り、そして大人より高校生の方が冷静に判断しているような気がしました。

 同時に、高校生も言っていましたが、「学校不信」という先入観が、「修学旅行の可否の判断」を歪ませていたことにも気付いたそうです。

 「引率教員の旅費を、なぜ子供たちが負担するのか」はその最たるもので(笑)、先生たち、払っているんですよ、参加費。

 あと、行き先、ホテル選択のなぜ?? も解消したそうです。要するに、予算には上限あると言うこと。その割に「いいホテル」に泊まれるのは、修学旅行やインターハイ参加など、宿泊を伴う教育行事には、「1泊8000円を上限」とする規定があるから(金額は、都道府県などによって異なります。また8000円上限ですから、宿や部屋のランクによっては6000円などの場合もあります)。

 リベートや先生方への接待もない。世間で言われるような不正もない。そういう中で、学校との関係性も変化し、保護者の理解も進んだそうです。よかったよかった。

 

私から一言

 リフレクションのファシリテーターとして参加した私ですが、感想をと言われ…、もちろん、生徒さんも素晴らしいのですが、判断を生徒に任せた校長先生はじめ、教職員の方々の勇気に感謝してもいいでのは…と先ず述べました。

 そして、「悪意にかかるコスト」と「誰一人取り残さないために必要なことを学んだ修学旅行だったのでは」と問いかけました。無意識に「SDGsの視点」を学んだ修学旅行でしたね…ってことです。

 

 私が若者に未来を託すべきと主張しているのは、高校生の、この冷静さ・センスの良さなんです。はい。