私は、遠藤周作氏の作品が好きで、氏の作品で「出版されているもの」は、ほぼ手元にあります。日記などの小説以外のものも、出版されているものは、ほぼ目を通しています。
◆父への複雑な思い
遠藤周作さんのお母さんは、東京音楽学校(現在の東京芸術大学)でヴァイオリンを学んだ音楽家です。しかし、在学中に結婚して専業主婦になったわけで、ヴァイオリニストとしての活動はあまりしていません。夫と離婚後、神戸・西宮で生活しますが、その際、キリスト教学校や教会でオルガンを弾くなど、音楽で生計は立てていたようです。
離婚原因は、父の女性関係。離婚成立後、父はその女性と再婚します。
その父を、遠藤周作氏は強く恨みます。特に、お母様が亡くなられると、内面で母の聖母化が進み、その反動もあってか、父への強い嫌悪感を抱きます。
◆若い頃は、遠藤周作氏のこの気持ちがどうしても理解できなかったのですが…
やがて、私の母も天に召される時が来ました。そして、父が残されました。
妻に先立たれた男は、こんなにもダメになるのか…というのが、最初です。
ダメになるというのは、気落ちするとか、体調を崩して寝込むとか、そういうことではないのです。子供のように無邪気になってしまうというか…、いろいろな困ったことが起きました。おそらく、今までは母が防波堤だったのでしょう。
そんなこんなでいろいろなこと、一つひとつは小さなことなのですが、そういうことが積み重なるうち、遠藤周作氏の思いがわかってきました。母の聖母化、父への嫌悪感は、このように生まれるのですね。ちなみに、「確執」と書きましたが、そう思っているのは私だけで、父は何も気づいていない…ということは、確認しておきたいと思います。ケンカはしていませんし、勘当もされていません。でも…です。
◆長嶋一茂さんにも、同じ気持ちがあるのでは…
長嶋一茂さんも、母を亡くされていますね。
野球人としての父には、おそらく尊敬も感謝もあると思います。
しかし、私人としては、複雑な思いを抱えているのでは…と感じる記事を先日目にしました。いわゆる「長嶋家の確執」ってやつですね。
◆私の現在位置は…
何が原因ってことではないのです。ただ、もう、会話がかみ合わないのですね。
家族同士で噛み合わない会話をしてイライラするよりは、距離をおいて、それぞれの世界で暮らす。周囲は、勝手にいろいろ言うかもしれません。言わせておけばよい。どうせ、誰も理解はできないことなんだから…というのが、私の現在位置。
※以下、個人の感想です
男って、長生きしてもあんまり良いことがないような気がします。
男が晩年を幸福に過ごすためには、伴侶を大事にして、自分より長生きしてもらことですね。特に、早期退職をお考えの男性は、「主夫」の能力を高めておくことが大事だと思います。