公務員時代は、クレーム対応も仕事のうち。
クレームと言っても、悪い意見だけではありません。こちらが気付いていなかったことの指摘などは、とてもありがたいです。一方で、悪意でしかないものも少なくありません。
◆税金、助成金を何とかしたいけど
極論すれば、脱税する人がいなくなれば、徴税の仕組み、確定申告の手続きなどはもっと簡単になります。会社の会計事務ももっと簡単。
コロナ関係の助成金も、ズルをする、だまし取る人がいなければ、手続きはもっと簡単にできます。
ところが、まぁ、現実は「性悪説」での設計を求められます。
そういう「少数の悪意」が、「全体の幸福度」を下げるのですね。
◆性悪説での設計
たとえば、助成金を100億円交付するとします。
そのうち、不正申請が10億円あったとします。よくないですね。
そこで、絶対に不正申請ができないシステムを構築しようとします。
その経費が、300億円なんですね。…どうしますか??
危機管理のシステムってのは、そんなに多くの企業・個人が持っているものでもありません。非常に専門性が高い、知的な領域なんですね。だから、高いんです。
◆クレームの中には「他人の悪意の対処を求めるもの」も少なくない
一種の義憤なんですね。
たとえば、子供のための教育費補助を「親が別のことに使っている」。
となると、教育でしか使えないように「クーポン」にする。となると、クーポンを作らないといけない。その作業は「デザイン」から始まります。また、クーポンは「実質お金」です。印刷・納品までのセキュリティも必要。
コストという面で言えば、目的外に使用されている金額よりも、目的外の使用を防ぐための金額の方が大きい。
◆システムが複雑になると、「利権誘導」という悪意も出てくる
クーポンとなると、印刷から対象分野までビジネスチャンスが出てきます。
私はこれを、「悪意のビジネス化」と呼んでいました。
社会的地位・立場の高い人が登場し、美辞麗句を並べつつ、権利の主張が始まります。悪意を防ぐためのシステムが、悪意に乗っ取られるのです。
このような場面で、悪意とせめぎ合いをするとどうなるでしょう。
正解は、早期退職、もしくは転職します。
そういうことです。
醤油ラーメンは、オーソドックス派です