お仕事が続いています。
で、下の記事の続きになります。
ojisann5560.hatenadiary.com
◆とある企業の社員さんのレポートを読んでいます
与えられたテーマを「A」とします。
「Aについては、私は○○と考える。なぜ○○と考えるかは~」と続くことを期待します。つまり「主張、理由、根拠」を結びつけ「論理的な考察・説明」が続くことを期待するのです。
しかし、「私は○○と考える。○○とは~」と「主張の詳細な説明とその理想」が続くのです。そこにあるのば「~べき論」(笑)。
実現のための方法は「コミュニケーション」と「自己啓発による自己変容」。つまり、レポートは、ほぼ「一般論・精神論」で終始し、「個人の決意表明」が結論として示されます。しかし、そこに「論理性・独自性」はありません。日本的精神社会がそのまま反映されています。
◆「わかっていること」「知っていること」を書いている
テーマについて「知っています」「わかっています」「だいじょうぶです」ということを「わかってほしい」という印象を受けます。
まとめると「私はバカではありません。言われたとおり、Aというテーマを理解し、その実現のために日々実践を行い、自己啓発による自己変容に取り組んでいます!」ということ。
もちろん、それも大切です。しかし、チームが進化する、組織を変革する、目標を実現する、そして個人が成長するためには…です。
◆「困っていること、できないこと、わからないこと」から考察する
レポートに、困ったこと、できないことを書くと、評価が下がりそうです(笑)
「無能」と評価されそうですね。発想が非建設的とも言われそうです。
しかし、「困っていること・できないこと=課題」と向き合うことで、人間の思考は動き始めます。そこに、「課題」と向き合い、「原因」を探り「解決」を考えるという思考のスイッチがあります。
つまり「課題」が「根拠」なわけ(笑)。ここから「根拠➡理由➡主張・結論」へと思考が進むのが評価ポイント。というわけで、「課題と向き合わず、知識・実践を羅列したレポート」は「思考停止」というのが今回の評価。しかし、現実は「根拠なき主張」「非論理的・感情的発想」という思考停止系が続出になるんですね(笑)
◆働き方改革は「困ったこと」「課題」を口に出せる職場の空気感から
組織の空気感が「ミスを許さない、困ったことを相談できない、課題を課題と言ってはいけない」のかもしれません。だから「知っています。わかってます。大丈夫です!」というレポートになるのでしょう。しかし、これは封建社会の奴隷が我が身を守るための叫びに近いです。
これは、現代日本の社会の空気感が「不寛容」なことの反映かもしれません。問題が生じたら「自己責任×処分」という解決が正しいとされていますからね(笑)。しかし、この発想では「課題」と向き合うことがありません。ですから、同じ問題が繰り返されるだけなのです。
(だから、管理職の世代交代が必要なのですが…)
困ったこと、課題を課題と言えること。困ったこと・課題を根拠として、解決をみんなで考えることができること。解決までの試行錯誤に解決のヒントが内在していること…そんな理解が組織と個人に「共有」されれば、もう少し違ったレポートになったのかな…と考えます。
そんなことを原稿に起こしています。今日も頑張れ自分!