55歳で退職したおじさんのブログ

投資・副業・役職経験のない平凡なサラリーマンでした。贅沢しなければ辞めても暮らせる程度に貯まったので早期退職。「健康で文化的なビンボー生活」を楽しみつつ、旅行、沖縄、小説、アーリーリタイア、健康、メンタルヘルス、シニア、ライフスタイル、不動産購入、ブログ、日々の暮らしなど記していきます。

早期退職前には「依存先」を増やしておくことが大切

 不登校とか出社拒否という言葉があります。

 振り返ると、学生時代、今なら「不登校」とされるであろう状況がありました。が、当時は「怠け者」「サボり」としか言われませんでしたが。

 ただ、「怠け」「サボり」を許容してくれる文化と、「そういう時もあるよね」という理解がありましたね。それで救われたと思います。

 

要因・原因は様々で原因を一つにすることはできません

 不登校、出社拒否、帰宅拒否などは、形は違えど「現象は同じ」と言えます。

 現象は同じでも、その原因・要因は様々で、「こうすればという解決方法」はありません。金八先生を求める声も少なくありませんが、現在の価値観ではいろいろ問題が生じます。

 そもそも、校長先生の自宅に住んでいる段階でどうなんでしょう(笑)

 

◆「依存先が少ないのではないか」という問い

 教育部署で不登校担当となって、現場の先生方からお話を伺いました。また、当時は少なかったフリースクールにも伺い、保護者の方とお会いすることもできました。

 そんな風に、いろいろ進めていくなかで、一つの「問い」が生まれました。

 名門校・有名校・進学校不登校になる方には「学校への期待が高く、教育熱心で、我が子のためになるならどんなことでも」というパターンが多いのです。これを別な表現にすると「高い教育を受けることが幸福につながるという価値観が強く、その実現を学校に依存している」「保護者は自分の生活を犠牲にして、我が子の教育に費やしている」ということです。

 つまり、我が子と学校とに、強い依存傾向があるのです。

 

◆「依存先」が失われると心身の健康を崩しやすい

 人生には「喪失の瞬間」があります。

 思い通りにいかないこと、大切なものを失うこと、信じていた価値観が間違っていたこと…などなど、喪失には大きなダメージがあります。

 では、どうやってそこから立ち直るか…。これも様々だと思いますが、結局は「喪失することなく、手元に残っていたもの」が立ち直りのきっかけになることが多いです。

 それが、趣味や仕事になるか、新しい恋愛になるか、旅に出て自己の再構築をするかはそれぞれ。いずれ、喪失を埋める何かを得ること、あるいは持っていることが、自己を取り戻すヒントになります。

 

依存先が学校しかない人は

 依存していたものに裏切られるわけですから、この喪失感は大きいです。

 しかも、他に依存先がないわけですから、裏切られた学校に依存するしかありません。

 やがて、心の中の喪失感は、怒りなどの感情となって学校に向かいます。

 同時に、喪失感から立ち直るきっかけとなるものが学校以外にないので、深い悲しみにもとらわれます。

 

健康な日常を送っているうちに、依存先を増やしておく

 子供が学校に行かなくなったら、保護者の方は家から出て、自分の好きな時間を過ごしましょう…というアドバイスパターンがあります。

 これは、親の子離れを促進しながら、親の依存先を増やす。そして、子供や学校以外の人生の楽しみを見つけて、喪失からの回復のきっかけとするものです。

 …書きながら、早期退職生活への備えに共通するものを感じます(笑)

 昨年3月末の早期退職後、4~6月はとても不安定でした。

 その後、移住計画、家探し、学習支援ボランティアなど、いろいろと「依存先」が増えるのと並行して、心身の状態もよくなってきました。

 このブログも、依存先のひとつかもしれません。

 早期退職を考えている人には、「人生=仕事」という逆説を抱えている人も少なくないようです。そういう人は、ちょっと危険かもしれません(笑)

 

 依存先を複数持ち、完全主義から逃れることが大切だなと、つくづく思う今日この頃です。

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