事件があると、その原因を追究・特定しようとする報道があります。
家庭内殺人、無差別殺人、誘拐など、その原因が理解しにくく、異常性が高いとされた事件は、結局「個の異常性」で括られることが多かったです。
◆原因として挙げられるもの
例えば学歴。
学歴に類似するパターンとして、教育方針・支持政党。「オタク」であることが原因とされたことも。
また、「高学歴(東大とか)×有名企業勤務×高収入」でも「高卒×派遣×貯金なし」でも、「それがこの異常な事件の背景・原因ではないでしょうか」と括られる。
こうした思考は、合理的ではあるのでしょうが、論理的ではないですね(笑)
◆事件の異常性を強調することで「私には関係ないこと」と安心したい
報道は、犯人の「生い立ち、価値観、思考、言動」から原因を特定し、それを「異常なもの」とする方向性が多いです。それは「事件・犯人が異常」であれば、視聴者は「私には関係のないこと」と安心できるからですね。
ちなみに「要因が高学歴」だと、私も安心できます。自分よりも「学歴・収入が低いことが要因」とされると信じやすいです。
こうして、「自分とは関係が薄い要因」を原因として特定することで、「自分の正常性」を確認しているのです。
◆原因・背景に「社会の価値観」が語られるようになった
オリンピックについては、利権政治・密室政治・経済優先などなど、「非民主主義的な決定×資本主義の負の側面」が顕在化しました。某市長や小田急線内の事件については、ミソジミー(女性蔑視)などの言葉が出始めています。
要するに「封建的価値観×近代資本主義×競争社会」は限界なんですね。それは「小さな政府×民間活用×自己責任型社会」を進めた某政党とそのブレーンの限界でもあります。彼らは、社会構造の変化を利権に変える錬金術を駆使し、密室の決定を民意のように広報し、経済発展を独占し、その恩恵に預かることができない者は「能力がない」と切り捨て「自己責任」という言葉で正当化しました。
つまり「新型コロナに罹患するのは自己責任」「金メダルを噛まれても大人の対応が正解」「人よりも高い能力を持ち、努力を重ねてオリンピック選手になることが炎上の原因」ということです。
こんな社会、おかしいですよね(笑)。
つまり、オリンピックも事件も「個の異常」ではなく、「社会課題」「自分ごと」として語られるようになってきました。
◆というわけで、個人的には未来に期待をしています
現在の首相に象徴される体制は、もう「アンシャンレジーム」なんです。
そういうことが、はっきりしました。
過去の価値観では、新型コロナ・医療・教育・福祉・人口減少社会の課題は解決できないのです。では、どうすればよいか。
世代交代ですね。未来を根拠とする発想を持ち、ポスト資本主義と本当の民主主義で日本と世界とを運営できる人は、いま、政治・経済・学問・科学・外交の運営から外れています。そういう人と企業が戻ってくること…。まず、トヨタの姿勢に期待します。
新型コロナの状況が、西村分析のとおりになりはじめました。
都合の悪い真実に基づいて対策を進めることも、大切と思う今日この頃です。