退職すると、在宅時間が増えます。
新型コロナの自粛生活も相まって、24時間部屋にいることも。
そんな中、原稿仕事をするには、やはり環境作りが大事です。
◆作家「遠藤周作」の書斎
狭く、暗い部屋で小説を書いていたそうです。
部屋には窓もなく、机を壁に寄せ、灯りは机上のライトのみ。
そして、原稿用紙の裏に、細かい字を鉛筆でびっしりと書き込みます。
これを秘書が清書すると、原稿用紙4枚分ほどになったとか。
◆作家「辻邦生」の執筆風景
夏になると、都心の暑さを避け、軽井沢の別荘で暮らします。
朝早く、別荘のベランダに机を出し、そこで執筆したとか。
外の開放的な空間で、風や光を浴びながら書いたようです。
遠藤周作さんとは、真逆です。
◆自分にとって落ち着く空間、仕事が捗る環境を把握する
若い頃は「音がしない」「人がいない」「角・端っこ」が落ち着きました。
受験勉強は「自宅×自室」でないとできなかったのです。
しかし、大学に入ってから図書館で勉強するようになり、就職すると、当時でき始めた「ファミレス」でお替り自由のコーヒーを飲みながらと変化していきました。
「遠藤周作型」から「辻邦生型」になったのです。
◆現在のレイアウトは
8畳リビングの真ん中に、大型のテーブルを置いています。
視線の先は「壁」ではなく「窓」。そこから山の緑が見えます。
テーブルの真上に照明があるので、机上にライトを置く必要がありません。
少し前、自分の部屋ではなく、リビングで勉強する子供が話題になりましたが、そんな感じ。賃貸時代よりも、快適でストレスがありません。
◆隠れ家的なお父さんの書斎
リモートワークが増えたことで、自宅をリフォームした知人もいます。
そのパターンは二つ。
・子供部屋(独立済み)を、お父さんの書斎にする(辻邦生型・開放型)
・3畳ほどのスペースを、お父さんの書斎にする(遠藤周作型・極狭型)
これ、特に後者が話題になっていて、新築マンションにもあったりします。
肝心なのは、お父さんにとって落ち着く空間の選択。
特に「3畳・極狭型」は、「隠れ家・秘密基地」のような印象があって、自分のタイプではなくても、心惹かれるのです(笑)。
開放型の人が、極狭型にリフォーム・購入すると、結構つらいようです。その原因に気付いていない知人もいます。
◆子供たちも同じかも
少し前、リビングで勉強する子供の方が成績が良いと話題になりました。
これ、子供にも「部屋で集中したいタイプ」と「リビングの方が落ち着くタイプ」と
があって、自分にあった空間で勉強した…というオチではないでしょうか(笑)。
勉強は「極狭型無音空間」が良いという先入観があります。しかし、逆の人も少なくありません。作家「吉村昭」さんは、開放的な空間の大きな机に、資料をいっぱい広げて執筆したそうです。私は、このタイプが近いようです。
行きついた先は「空間広め」「モノ少なめ」「視界に山」(笑)。
それを実現できたのが松本暮らし。
松本を選んだのは「直感が先、言語化が後」ということです。