「退職」や「引っ越し」は、断捨離のいい機会のようです。
問題は、断捨離で整った環境の維持。
そこに「断捨離の先の世界」があるようです。
◆断捨離生活を維持するために
①売ってしまう可能性があるもの・ゴミになるものは最初から買わない
断捨離生活の維持には「モノを大切にする価値観」が大切です。
それは、「モノを捨てない・大事に取っておく」ではありません。
買う前に「それが本当に必要かどうかを見極めること」です。
②所有する欲よりも、所有しない環境の快適さを
所有欲を満たすことと、モノが増えて現在の快適さが失われることはトレードオフ。
どっちが良いですか? と自己に問い続けることは、結構大切。
「必要なモノ」と「欲しいモノ」とを区別することも大切。
③所有しない環境の快適さとは
家事が楽、掃除も楽、水回りがいつもきれいに維持できて、床にモノがない。
テーブルもキッチンも広いのでストレスがない。良く眠れる。
今あるもので生活ができて、探す時間がなくなる。
節約とケチの違い、モノの価値、暮らしの工夫の楽しさがわかってくる。
◆両親の老後を見て思ったこと
モノを貯め込み気味でした。
本人に「貯め込む」という意識はなかったと思います。
もったいなくて捨てられないんですね。結果は同じなんですけど。
冷蔵庫の中は常にいっぱい。本人はストックと言っていましたが、それが安心な状態でもあるようです。そして、母が亡くなって父一人になると、なかなかの状況になりました。
その様子を見て恐怖を感じました。これが「自分の老後」かもしれないのですから。
◆人生には心と暮らしとが荒れる時期がある?
私自身も、東日本大震災の後、「被災地支援の多忙さ×心の不安定さ」から、倒れた書棚を立てることすらできず、本が散乱した中で暮らした時間がありました。
片付けられない人を責める気持ちはありません。人生には、心と暮らしとが荒れる時期があるんだと思います。
そういう時期がまた来ないようにしたい。
断捨離生活・ミニマリスト的暮らしのモチベーションは、ここにあります。
◆社会資源・地域資本を活かして暮らす
本は、図書館にあります。
小さい頃、本屋になって自由に本を読みたいと思っていたことを思い出します。
形は変わりましたが、図書館の本は自由に読むことができます。
松本は湧き水が豊富です。
この水で作られたパンを買い、この水で淹れたコーヒーと一緒に食す。
社会資源・地域資本を共有することで、モノへの依存から逃れる。
公務員として、社会資源の構築につとめてきました。
地域資本の維持にもかかわってきました。
一市民になった今は、それを利用し続けること…これが、社会資源・地域資本を守ることなんですね。市民の義務と権利を活用することが、断捨離の先の世界を拓いてくれるかもしれないと思う今日この頃です。