今日で6月も折り返し。
松本での暮らしも3週間目。
早期退職し、世の中から離れた生活も1年以上になりました。
◆囚人のジレンマを思い出す
【前提】
・同一の事件で逮捕された2人の囚人が、互いに意思疎通できない牢獄にいる。
・そこで2人に対し、釈放条件が提示される。
【釈放条件】
・自白すれば、司法取引により釈放される。
【釈放条件の例外】
①二人とも自白した場合
・2人に懲役3年が科せられる
②一人が自白し、一人が黙秘した場合、
・自白→釈放
・黙秘→懲役5年
③二人とも黙秘した場合
・二人とも懲役1年
【囚人のジレンマ】
①自分にとって最適なこと
・「自分の自白」×「相手の黙秘」 → 自分だけが釈放(相手は懲役5年)
②自分にとって最悪なこと
「自分の黙秘」×「相手の自白」 → 自分だけが懲役5年(相手は釈放)
③AB二人にとって最適なこと
・「二人とも黙秘」 → 懲役1年
④AB二人にとって最悪なこと
・「二人とも自白」 → 懲役3年
【問い】
・「自白」と「黙秘」、どちらを選択しますか?
◆「囚人のジレンマ」でチーム作りをしていました(笑)
民間企業では、最終判断の根拠に「利益の発生」「企業理念との合致」があります。
つまり、「ジレンマが内在する事業」を「やる」「やらない」の判断とその合意形成は、意外と楽です。
そこから「公務員」になりました。
「公共事業」は「ジレンマだらけ」です。「儲からないけれど、公共性・必要性は高い事業」が公共事業なのです。
そこで「囚人のジレンマ」を使って、「個人の利益と公共の利益との対立」「そもそも公共性って何?」「利益と公共性の境界線」などをシュミレーションしていました。
◆コロナ禍における自粛生活
日本では、マスクの着用が早い段階で進みました。
つまり「みんなで黙秘して1年で釈放」=公共の最適化を望んだのですね。
しかし、1年経過しても釈放されません。
それどころか、一部の地域で「酒類の販売禁止」「営業時間の短縮」という罰則を伴ったルールが定められました。しかも、ルールを守ることによる利益=補償より、損失の方が大きいのです。
数は多くありませんが、「ルールを破って営業再開する店」が出始めました。
しかも、その店は結構にぎわっているのです。
「みんなで黙秘=1年で釈放」と思っていましたが、いつのまにか自分だけ懲役5年になってしまったのです。
◆政治家に対して、怒っても良いレベルと思います
まともな公務員なら、上記のようなシュミレーションをしています。
そして、現状のようにならないような解決策を講じます。
それを阻害しているのは、誰なんでしょう(笑)。
「徒然草」(吉田兼好)なら「仁和寺の法師」と答えそうですが…。
物事には、常に「学問・科学の裏付け」が必要です。
しかも、先人の研究・知恵をたどれば、そこには問題の解決の方向性が示されていることも多いです。
感染病も同じと思う、今日この頃です。
