今月末締切の原稿の一つに、医学系のものがあります。
そこで、医学史を疾病の枠組みで調べています。
今年の大学入試では、医学・医療系頻出かもしれません。
◆中世ヨーロッパで大きな影響を与えたのは
天然痘、ペスト、コレラです。
当時の人々は、「隔離」という知恵を編み出していたようです。
西欧は「城壁都市」です。隔離しやすいですね。
城内に人々を収容する、ネズミなどが貼り込まないように仕掛けを作ることが行われていたようです。中世のタペストリーなどには、このような情景が描かれたものがあります。
天然痘については、「種痘」をあみだしていた説があります。
ブレーメンの音楽隊で、子供たちが連れ去られるシーンがあります。
これは、天然痘に罹患して回復した子供たちを連れ出し、他の村で「人痘」を試みたのではないかという考えです(諸説あります)。
◆コロンブスの交換、植民地開発、産業革命
コロンブスだけが悪いわけではないのですが、西欧と南米の感染症が、それぞれの地域に持ち込まれます。シルクロードも同様。
さらに、植民地開発が進み、熱帯雨林を開拓すると、熱帯病が広まります。代表的なものがマラリアです。
その後、産業革命が起きると「結核」が猛威をふるいます。患者の多くは、人口が集中した都市の貧困層。
こうしてみると、感染症は歴史と言うか、人類の営みを反映しているように感じます。
◆日本では
戦国時代、「天然痘」の記録があります。
世界は大航海時代。日本は南蛮貿易の頃ですね。
その後、江戸時代にも流行します。江戸時代の天然痘は、特に江戸の子供たちが犠牲になったようです。参勤交代が運んだのかもしれません。
そして、日本にも産業革命がやってきます。
明治維新と製糸業の発展。そして「女工哀史」が生まれます。結核ですね。
他には、吉原などの遊郭などでも流行があったようです。
また、太平洋戦争真っ只中の1941年も、結核患者が激増した記録があります。
◆新型コロナウィルスの終息が見えない…
要因を整理すれば
・公務員の数を減らした(市町村合併・公務員バッシングなど)
→平常時でギリギリなので、緊急時には簡単にパンクする
・科学を軽視した
→研究予算に「競争原理」を持ち込んだ結果、臨床性優先になり、
基礎研究が壊滅状態になりつつある
・ICT活用の遅れ
→マイナンバーがあるので、経済支援もワクチン接種も管理できるはず。
しかし、政治不信により、この制度が活用しにくい、広がらない。
ICT機材・スキルなどの発想が「管理職」にない
というわけで、平時の環境を削っているのですから、緊急時の対応などできるわけがない。それは東日本大震災以降の災害でも学んだはず…という怒りを思い出しました。
この恨みは、次の選挙で…