読書好きになったのは、「遠藤周作」「吉村昭」の作品に触れたことがきっかけ。特に「王妃マリーアントワネット(遠藤周作)」「戦艦武蔵(吉村昭)」は、私を世界史・日本史好きに導いてくれました。
引っ越しでいつも大変なのは、それぞれの「全集」の梱包・移動(笑)。資料なども含めてこれが大量なんです。
◆命名は、父の芥川賞受賞にちなむ
遠藤周作は、慶応義塾大学仏文科を卒業し、戦後初の留学生としてフランス留学。帰国して作家活動を始め、「白い人」で芥川賞受賞。これで作家として認められて結婚。1年後に生まれたのが一人息子の龍之介氏。慶応幼稚舎から慶應大学に進み、父と同じ仏文科を卒業します。
父遠藤周作は、子供の「学歴・受験」に興味がなく、慶應に入学しても寄付金などは一切払わず、大学に進むことも反対したとそのエッセイに書いています。
◆遠藤周作は「肺病」に悩む生涯を送った
最初は、大学時代の「肋膜炎」。フランス留学では「肺結核」を起こして帰国。
「海と毒薬」を書き上げた後に「肺結核」が再発。三度の手術で奇跡的な生還を果たします。
結核は伝染病です。空気感染します。
遠藤周作のエッセイの中に、自分はなぜ結核になったのか…を看護師に問いかけるシーンがあります。「何も悪いことはしていないのに、みんなと同じ生活をしていたのになぜ」という恨みが籠った文章です。
それに対し、看護師や一緒に入院している先輩患者は、「例えば、電車に乗った時、たまたま結核菌を持っている人の隣に座って、それでということだろうね」と返します。
◆昔の同僚から連絡があって…
年齢が同じで、変に気が合いました。
彼は、医師一家の三男。地元の国立大学医学部を卒業して医師になったのですが、何を思ったか公務員に転職してきました。精神医学を専攻した神経科・心療内科医で、私が教育部局で不登校・カウンセリングなどを担当した時のパートナー。
現在は、新型コロナ対策の最前線(行政側)にいます。
現場のいろいろ、愚痴、現状、絶望と希望などを吐き出してもらいました。私の方が医師みたいでしたけど(笑)。
で、感染経路が全くわからない患者が出てきているとのこと。
例えば、30代一人暮らしで完全リモートワーク。外出は食料品の購入程度で、生活動線は固定されている。髪も切っていない。もちろん外食・旅行・カフェ・誰かと会うこともない…。それでも感染。
「お前は大丈夫か」と言われましても、どう答えて良いか…。
◆そういう段階に入ったということだから…
「変異株ってこと?」と聞くと「そう」。
彼は「医師・科学者」ですから、「最悪の想定」を意識し、そこから逆算して思考します。ただ、科学の立場からの提案・解決が理解されにくい。ボトムアップの場合、対応策を実現するための「兵站」の根回し・調整を終えてから実施となる。しかしトップダウンの場合、対応策だけが指示されるので混乱が大きく、無駄な消耗が多い。もう公務員は辞め、医師に戻った方が人の役に立ちそう…。
◆チーム作りのワークの依頼
連絡の主旨は「チームのメンバーが疲弊しきっている。ついてはワークで建て直してくれないか」でした。
やる予定です。どう考えても長期戦です。リフレッシュは大切。
何より、解決を導くことができるのは、彼のような人たちしかいませんから。