昨年の後半から、高校の学習支援に参加しました。
知り合いの先生のお手伝いです。
私が担当したのは、大学受験の「志望理由書」「小論文」のアドバイス。
「書く」前に「思考を深めるワーク」をすることですね。
システム思考やU理論を伝えながら、ロジックで思考を深めることを試みました。
学外の人間が「学習支援」に参加する時、最初は、多忙な先生方のお手伝い、行き詰りからの解放、多様な視点の提供くらいの気持ちでいます。しかし、徐々に実態が見えてきます。それは…
私たち「学外の支援員」が、小論文や志望理由書のワーク・添削をしているのは放課後です。その時間、「先生」は何をしているかと言うと、顧問の部活動の指導、生徒の奨学金や保護者の相談を受けているんですね。
これ、逆ですよね(笑)。
本来、学習・受験指導が一義である「先生」が、お金や家庭の問題の相談の対応をしている。
先生ではない「支援員」が、学習・受験指導をしている。
学習支援は、「塾・予備校に通う費用を捻出することが難しい家庭への支援」という名目になっています。それは問題ありません。先生方の負担軽減にもなっているそうです。でも、本質からはズレています。
先生方の多忙が問題になっています。
学習支援員を配置することは、一つの方法です。しかし、これがズレていくと、
・先生 →生活支援(福祉)
・支援員→学習支援(教育)
という「逆転」を生みます。
この実態を知っていただきたいのです。
一緒に参加した「支援員」も、この事実に気づくと呆然としています。
部活動も、先生不在で事故が起きると問題になりますから、離れることが難しいです。公立学校では、進学費用に関する相談も多いそうです。費用のことで「親子でケンカになり、三者面談が修羅場と化す」ことも少なくないとか。そのため「修羅場になりそうな家庭の三者面談は、土日に入れる」そうです。
そもそも、保護者から相談の電話がかかってくれば、確実に1時間コースですし…。
結果「子供たちと一緒に勉強する時間」が先生から奪われているのです。
それを「学外の学習支援員」が補うのは、対処療法としては有効ですが、これを「当たり前」にしてはいけないよね…と支援員同士で話し合う今日この頃。
いよいよGIGAスクールが始まります。