55歳で退職したおじさんのブログ

投資・副業・役職経験のない平凡なサラリーマンでした。贅沢しなければ辞めても暮らせる程度に貯まったので早期退職。「健康で文化的なビンボー生活」を楽しみつつ、旅行、沖縄、小説、アーリーリタイア、健康、メンタルヘルス、シニア、ライフスタイル、不動産購入、ブログ、日々の暮らしなど記していきます。

教育現場の現実

 昨年の後半から、高校の学習支援に参加しました。

 知り合いの先生のお手伝いです。

 

 私が担当したのは、大学受験の「志望理由書」「小論文」のアドバイス

 「書く」前に「思考を深めるワーク」をすることですね。

 システム思考やU理論を伝えながら、ロジックで思考を深めることを試みました。

 

 学外の人間が「学習支援」に参加する時、最初は、多忙な先生方のお手伝い、行き詰りからの解放、多様な視点の提供くらいの気持ちでいます。しかし、徐々に実態が見えてきます。それは…

 

 私たち「学外の支援員」が、小論文や志望理由書のワーク・添削をしているのは放課後です。その時間、「先生」は何をしているかと言うと、顧問の部活動の指導、生徒の奨学金や保護者の相談を受けているんですね。

 これ、逆ですよね(笑)。

 

 本来、学習・受験指導が一義である「先生」が、お金や家庭の問題の相談の対応をしている。

 先生ではない「支援員」が、学習・受験指導をしている。

 学習支援は、「塾・予備校に通う費用を捻出することが難しい家庭への支援」という名目になっています。それは問題ありません。先生方の負担軽減にもなっているそうです。でも、本質からはズレています。

 

 先生方の多忙が問題になっています。

 学習支援員を配置することは、一つの方法です。しかし、これがズレていくと、
 ・先生 →生活支援(福祉)

 ・支援員→学習支援(教育)

 という「逆転」を生みます。

 

 この実態を知っていただきたいのです。

 一緒に参加した「支援員」も、この事実に気づくと呆然としています。

 部活動も、先生不在で事故が起きると問題になりますから、離れることが難しいです。公立学校では、進学費用に関する相談も多いそうです。費用のことで「親子でケンカになり、三者面談が修羅場と化す」ことも少なくないとか。そのため「修羅場になりそうな家庭の三者面談は、土日に入れる」そうです。

 そもそも、保護者から相談の電話がかかってくれば、確実に1時間コースですし…。

 

 結果「子供たちと一緒に勉強する時間」が先生から奪われているのです。

 それを「学外の学習支援員」が補うのは、対処療法としては有効ですが、これを「当たり前」にしてはいけないよね…と支援員同士で話し合う今日この頃。

 いよいよGIGAスクールが始まります。

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