テーマ「おじさん世代の無自覚さ」
オリンピックはどうなるのでしょうか…。
オリンピック関連のお仕事を請け負っていた友人は、もちろん会社とも相談の上、開催200日前の段階でキャンセルしたそうです。200日前の段階で実施がはっきりしない、調整が成立しない、何よりも従業員の安全が確保できないというわけ。もちろん、金銭的な損害は生じますが「no go」の決断をしたということです。
◆目次
過去の記事から
ojisann5560.hatenadiary.com
昨年7月に「パワハラシリーズ」を書いていました(笑)
私の学生時代~社会人時代(バブル期)を、現在の価値観にあてはめれば、パワハラ・セクハラ・ブラック労働で摘発される案件多数です。
平成バブルは「工業社会」の最後の繁栄であり、同時に末期だったんですね。
「封建的価値観」と「質より量」で攻めれば結果を出せた。
「合理性」よりも「情」で仕事が取れた。
「会議は儀式」で、「接待・根回し・飲み会」で全ては決まった。
そんな時代です。
男性ばかりの職場で
私は、高校・大学と私立でした。共学しか経験がありません。
ただ、首都圏の私立トップ校、地方の公立トップ校は「男子校・女子校」なんですね。エリートは別学で育ち、バンカラな気風を美学として身に付けます。
地方赴任時、20名ほどの部署全員が男性だった時がありました。昔は珍しいことではなかったのです。で、平成13年頃、西暦で言えば2000年頃から、男女共同参画社会の流れができ、人事にも「男女比」が問われるようになりました。
そして、男性ばかりの職場に、意図的に女性が異動してくるようになりました。
同時の上司が、過日の森氏と同じセリフを言っていたことをよく覚えています。
以心伝心、体育会出身、同窓意識
というものが重視されるのが、男性ばかりの職場の価値観。
最高善は「漢(おとこ)」。
ちなみに「真の漢」は、異なる価値観、別な視点、批判的提案を尊重し、ここから業務のアップデートが進みます。
しかし「なんちゃって漢」だと、「会議が長くなる」って言ってしまうんですね(笑)。彼らは良く「あいつは男じゃない」って言います。
グローバルな時代の中で
本音と建前は、日本だけの文化ではありません。
フォーマルとプライベートとの使い分けは世界共通です。
また、そこに内在する「逆説」を理解することが「知」の判定になります。
西洋が「自由と平等」を強調するのは、現実が「不自由で不平等」だからです。
そういう意味で、女性に対し欧米のエリート男性は本音でどう思っているかには興味がありますが、彼らはフォーマルなマナーとして「自由と平等」を身に付けています。これが「漢」。そして「真の漢」は、それをプライベートでも身に付けています。
会議が長くなる発言の本質
今回の森氏の発言は、失言とか、意識が古い…というのが本質ではないような気がします。
ことの本質は、リーダーとしての「知」ですね。
プライベートな価値観を批判するつもりはありません。
しかし、リーダーであれば、「フォーマルなマナー」に従って発言・行動してほしいもの。
時代の価値観(フォーマル)と自分の価値観(プライベート)が一致しない時、「フォーマルな価値観」にあわせていく「自己抑制」が求められると思うのです。
そういう「知」が、今試されている、新型コロナウィルスへの対応で表面化している…ということなのでしょう。そして世界は、日本の「知」を判定しているってことだと思います。もちろん、フォーマルには「日本の知」は評価されていますけどね(笑)。
私も、知で駆逐されないよう、自己抑制に務めます。