55歳で退職したおじさんのブログ

投資・副業・役職経験のない平凡なサラリーマンでした。贅沢しなければ辞めても暮らせる程度に貯まったので早期退職。「健康で文化的なビンボー生活」を楽しみつつ、旅行、沖縄、小説、アーリーリタイア、健康、メンタルヘルス、シニア、ライフスタイル、不動産購入、ブログ、日々の暮らしなど記していきます。

全国会議員の夜の会食を人数にかかわらず全面自粛しては。

テーマ「新型コロナの日々に」

 政治的なことはよくわかりませんし、発言するつもりもないのです。

 今日書くのは、現場経験者の一人として思い出したこと。

 それは、当事者の怒り・哀しみを受け止めるのも現場の役割ということです。

◆目次

「岳」(石塚真一)というマンガの中に

山岳救助がテーマの作品の中にこんなストーリーがあります

 北アルプス山中で遭難した遺体を発見した主人公(山岳ボランティア)は、救助のヘリを依頼。悪天候の中、ヘリが来るまで遺体のそばに寄り添っていた。発見から3日後天候が回復し、長野県警山岳救助隊と遭難者の父はヘリで遺体のもとに。その場で、遭難者の父は3日間雪山に遺体を放置したことを攻め続ける。「お前の救助が下手だったから息子は死んだんだ。お前が息子を殺したんだ」。

 長野県警察の山岳遭難救助隊チーフと主人公は、反論せず謝罪した。ヘリがその場を去るまで主人公は土下座したままだった。

 

主人公はなぜ謝るのか

 どう考えても理不尽なストーリーです。

 それが主人公の価値観なのか、山のルールなのかはわかりません。

 ただ、このシーンの主人公の言動には共感するものがありました。

 現場の日常を同じ風景だったからです。

 

教育・医療・福祉の現場で

窓口や電話で相談を受ける内容は…

 困りごとです。例えば「子供が学校に行かなくなった…」。

 この時必要なのは、相談してきた方(保護者)の感情を受け止めること。

 学校・教師への不満もあれば、家族(夫、もしくは妻、時には祖父母)への怒りもあったりします。

 そういうものをすべて、時には数時間単位で受けとめることも現場の仕事です。

  

場違いなクレームもある

 教師、医師、福祉施設で不祥事があると、電話が増えます。

 所属する自治体のことでなくても、報道された不祥事について説明、個人の意見、謝罪を求められます。

 こちらから電話を切ることはできません。反論せず、お詫びを伝えます。

 このような経験、民間企業の方でもあると思います。

 

新型コロナの現場で何がおこっているか

全国会議員の夜の会食を人数にかかわらず全面自粛しては

 国会議員に範を示してもらいたい。

 「国会議員だって会食しているんだから…」で、隔離を拒否したり、無理難題を通そうとする人がいるのかもしれません。

 そういう人に対しても、現場の医師、看護師、保健師は「国会議員の会食」を詫びなければなりません。その上で、感染予防、治療のために全力を尽くすことが求められます。

 この状況は、心が削られます。

 

現場の心理的限界

 あの手この手で自己正当化し、自分の要求を通そうとする人はどこにでもいます。

 心に余裕があれば、適当にあしらうこともできますし、診療を拒否することもできます。

 しかし、「表面張力で心を保っている状態」で、国会議員の会食を詫びる、政府の施策への不満を受け止める、検査拒否を説得することは、とどめの一滴になります。

 こんな時、「国会議員は会食を辞める」と宣言してくれれば、この宣言は「不満を抱える患者さん」を適切な治療に導く言葉になるのですが…。

(それが「君主」のあり方ですよね…)

 

まとめ

1,地位の高い人の不適切な言動を利用して自己の正当を主張する人もいる

2,場違いなクレームや理不尽な要求に対し、詫びるケアが求められることもある

3,「ケア」は、医療者の心を削ることもある。

4,「地位の高い人」が範を示してくれると、混乱は収まりやすい。

f:id:ojisann52:20210107094818j:plain