テーマ「元公務員のボヤキ」
社会人のスタートは平成の始まりから。
新人時代に御世話になった50歳以上の上司の多くは、身体にメスが入っていました。
過労とストレスで内臓をやられているのです。胃の全摘も数名いました。
新人は「メスが入って一人前」という物騒な言葉で励まされたものです。
◆目次
病に倒れる
◆2000年頃から多忙は常態化
ただし、当時の価値観では、「多忙×長時間労働」は「美徳」。
公的な残業時間は100時間くらいにして、働いていました。
終電を超えると支給されるタクシーチケットが、心身の支えでした。
◆若手、中堅世代が倒れ始める
2~3か月の入院から始まります。
それ以前、突然死もありましたので「病気休暇×治療」への理解が生まれました。
残念なことですが、倒れるのは優秀で将来を嘱望される人が多かったです。
現場復帰すると
◆パフォーマンスが落ちる
退院=全快ではありません。
それでも本人は現場復帰すると、全力で仕事を再開します。
しかし、入院前の高いパフォーマンスをすぐに発揮することは難しいです。
そのことに、本人が苛立ってくるのです。
◆出世と言う競争社会では敗者と評価される
やがて異動の季節がやってきます。
その人の能力・人柄にふさわしく、周囲も望んでいたポジションから外れます。
病気・入院がなければ進むはずだったコースには、別な人が就きます。
こうして、優秀な人材が「消費」されてしまうのです。
なぜ倒れてしまうのか
◆できる人に仕事が集中する
あるあるですね。
仕事量だけでなく、質もそうです。
新規事業、懸案事項の解決など、高いコミュニケーション能力、調整力が求められるだけでなく、そもそも難しい案件が多いです。
特に「どう転んでも悪者になるのでみんなやりたがらない案件」の担当者に多い印象があります。
◆無理難題を押し付ける上司もいる
トップダウン業務は、理想と現実とが大きく乖離することが多いです。
業務命令と自己の良心との間に挟まり苦悩することが増えます。
これが早期退職のきっかけになる人もいます。自死なさった方もいます。ご冥福をお祈りします。
人の命と健康を奪う無理難題が許容される背景にあるのは、古い封建的な価値観。
これを、学問的な方法論として「チーム作り」「課題解決」に変える必要があります。エライ人の思い付きが優先する前近代的な組織ではなく、未来を学ぶ若者の知恵で日本を導くことが大切です。
まとめ
1、優秀で将来を嘱望される人に仕事は集中しやすい(組織の機能不全)
2、無理難題、過重負担の中には意図的な「試練」もある(上司の封建的価値感)
3、病から復帰できても、元のパフォーマンスを取り戻すことは難しい
4、価値観が変わらないと、ブラック労働はなくならない…。
今日は、何だか書くのがとてもつらかったです。
書きながらいろいろなこと、亡くなった方のことを思い出しました。
新型コロナ対応を担当している昔の仲間たちの健康と感染終息を祈ります。
(チーム作りは、飲み会ではなく、会議室でのLEGOワークショップから)