55歳で退職したおじさんのブログ

投資・副業・役職経験のない平凡なサラリーマンでした。贅沢しなければ辞めても暮らせる程度に貯まったので早期退職。「健康で文化的なビンボー生活」を楽しみつつ、旅行、沖縄、小説、アーリーリタイア、健康、メンタルヘルス、シニア、ライフスタイル、不動産購入、ブログ、日々の暮らしなど記していきます。

セルフネグレトと片付けられない部屋

テーマ「メンタルヘルス

 先日NHKの番組で見ました。いわゆる「汚部屋」。

 思い出したのは、東日本大震災後の自分の部屋。

 その時、私は東北勤務の公務員。

 すぐに情報収集・サポートに入り、自宅マンションに戻ったのは5日後でした。

 ◆目次

 すぐに現地に向かう

◆現地の状況

 裏道もわかるほどの土地勘があったのですが、それは全く役に立ちません。

 住宅街なのに家がない、全て焼けている。

 船が目の前にいる、見上げるとバスがある。

 流された車が象の墓場のように一か所に溜まっていて、車内には…。 

 

◆現地では

 情報収集と報告、避難所運営のサポートです。

 現地の状況は理解を超えるものばかり。

 支援スタッフと言えども、水・食料・寝る場所の確保はなし。被災者優先。

 支援スタッフの多くは被災し、家や家族を失っています。

  

最初の帰宅は震災5日後の夜

◆自宅マンションの電気が付きました。水も出ました。

 県庁と大学病院の近所でしたから、インフラ復旧は早かったようです。

 ガス(都市ガス)も4月下旬には復旧しました。

 

◆リビングは本棚が倒れ、床一面に本があふれている

 重い本棚を起こすのは億劫で、でも本棚を起こさなければ片付かないわけで…

 その日は、ポットで沸かしたお湯で髪を洗って寝たのを覚えています。

 

当時の自分を振り返ると

◆罪悪感

 震災は、多くの人々から大切なものを奪いました。

 しかし、私は何も失っていないのです。

 帰宅すれば、電気・水・ガスがあって、お湯も料理もネットある。

 自分だけが日常の中にいることに強い罪悪感がありました。

 

◆本が散乱した部屋を片付けようとしない(片付けられない)

 電気・水道・ガスが復旧し、きれいに整理された部屋で過ごすことへの罪悪感や抑圧があったと思います。

 この罪悪感や抑圧は、自分が自分に掛けたもの。

 本棚が倒れ、床一面に本が散乱した状況に「安心」を感じていたのかもしれません。

 

◆被災地と自宅を往復する日々の中、非日常と日常との境界を失った?

 散らかった部屋で安心していたと振り返ることができるのは時間が経ったから。

 当時は振り返ることも言語化することもできません。

 震災という非日常の中で、異常と正常の判断もつかない混乱の中にいたようです。

 

まとめ

◆セルフネグレト的になってしまうのは…

1、自分にとって大きな喪失経験があった時が危険

 ・災害、怪我、病気、失恋、失職、失敗など

2、一人暮らし、単身赴任の人が危険

 ・部屋がどんなに荒れても、仕事や生活の様子は普通だったりする

 ・部屋を見ない限り、周囲が気付くことは難しい

3、真面目な人、責任感や罪悪感の強い人が危険

 ・ちゃんとした人ほど陥りやすいという逆説

 ・ゴミの分別をルール通りやろうとして、できなくて溜め込む人も

 

◆様子がおかしいと感じたら

1、周囲の人が感じたら、さりげなく部屋で飲もうと誘ってみる

 ・その反応でわかることも

2、自分でやばいと思ったら、近所の「便利屋」をさがしてみる

 ・「便利屋」【検索】で、部屋の片づけの手伝いを依頼する

 ・地域の便利屋さんは、口が堅く信頼できる人が多い。

 ・テレビに出てくる専門業者でなくてもだいじょうぶ。

3、自治体の福祉窓口で相談してみる

 ・「部屋を片付けたい」「ゴミを棄てたい」と言ってください。

 ・これが最初の1歩になります。

 

◆自分で片づけようと決心できたら

1、手袋、マスク、ゴミ袋を準備する

 ・作業時の抵抗が減少します

2、ペットボトル、食べ物の器、書籍(雑誌)が片付けば80%完了

 ・上記3つからスタートするのがコツ

3、捨てる決断は難しいが、捨てればスッキリ!

 ・思い切って捨てれば、捨てる前のこだわりは消えます(笑)

4、時間にすれば1~2時間の作業だったりする

 ・「ゴミ捨て×片付け」は、やってみると1~2時間で終わります。

 ・まず1時間やってみようと思って取り掛かってみると良いです。

 ・終わらなければ、翌日1時間やる。これを繰り返せば自力で終わります。

 

   私の断捨離は、この経験の反動だと思います。

   ただ、断捨離にも気を付けて下さい。ネットに有名な話があります。

   奥様が、御主人が長年大切にしている鉄道模型を棄てたのです。

   ご主人はそのことで奥様を責めず受け入れたように見えました。

   しかしその後、御主人は自分の服などをどんどん捨て始め、

   所有物はスーツケース1個でおさまる程度にまでなってしまった…。

   これ「捨てるセルフネグレト」かもしれません。

   断捨離生活を進める上で、気をつけています。

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