55歳で退職したおじさんのブログ

投資・副業・役職経験のない平凡なサラリーマンでした。贅沢しなければ辞めても暮らせる程度に貯まったので早期退職。「健康で文化的なビンボー生活」を楽しみつつ、旅行、沖縄、小説、アーリーリタイア、健康、メンタルヘルス、シニア、ライフスタイル、不動産購入、ブログ、日々の暮らしなど記していきます。

小論文、レポート、企画書の評価と添削

テーマ「教育・学習支援」

 高校生の志望理由書、小論文の相談が続いています。

 本番が近づく中、光るものはあるのですが、全体としては評価されないタイプの小論文をどうすれば良いか。受験生の個性を評価してもらうためにはどんな修正が必要か。

 そんなことを考える日々です。

 ◆目次

素晴らしい内容だけど高い評価はもらえないパターン

◆出題意図、答案の条件を理解しないで書いている

 「小論文(答案)」だけを読むと、素晴らしい内容。

 しかし「問題(課題文・設問)」を見ると、その意図から外れている。

 球速160㎞の素晴らしいストレートですが、ボールなので評価が付きません。

 

◆課題文の誤読、事実誤認

 「課題文」にある「筆者の主張」「課題文のテーマ」を誤読しているもの。

 「前提」が「出題者・受験生」で共有されていないので、その後の論点・議論・結論すべてが出題意図から離れていく。

 また、結論の根拠となる事実が「間違った理解」であることも。

 「根拠」が崩壊すると、小論文の内容すべてが崩壊します。

 

◆独創性は高いが、実現可能性が弱い

 豊かな発想、独創的なアイディアに溢れています。しかし、実現可能性が考慮されていない、実現への筋道が明示されていないもの。

 地に足がついていない、考えが浅い…が全体評価になってしまいます。

 

◆上の3つに共通する哀しい事実

 文章も内容も「論理的」には成立しています。

 しかし、受験生が「前提」「出題意図」「根拠となる事実」を客観的に読み取っていない場合、採点側は「恣意的な論理」と感じてしまうもの。客観的な論理構築が良くできていればいるほど、受験生の悪意(主観)を感じてしまうのです。

 

外部の人間ができることは「ワーク」の提供

 論理的な書き方・考え方は学校の先生にお任せ。

 こちらは「ワークを使った頭の使い方」を提供しています。

◆「課題」「解決のヒント」を、「課題文や図表・グラフ」から掘り起こす

 ・複数の「主張・意見」「図表・グラフ」を「比較」する

 ・課題文、図表・グラフから「共通点」「差異点」を取り出す。

 ・差異点を「対立」「矛盾」「逆説」として整理する。

 ・ここに課題や解決のヒントが隠れている

  例えば「新型コロナで経済が停滞している中で、業績を上げている分野」

     「長時間労働の解決が求められる中、業務量が増えている仕事」など。

 

◆独創性と実現可能性

 ・そもそも「独創性」と「実現可能性」は対立する存在。

 ・「対立」という「普遍的課題」を発掘し、解決する姿勢を示すことが大切。

 

◆実現可能性は「ブリコラージュ」の発想で示す

 ・「今ある資源」を活用する、組み合わせることから解決を創造する。

 ・「今ある資源」とは、課題文・図表・グラフに示されている内容

 

◆「独創性」も「ブリコラージュ」の発想で示す

 ・「創造とは組み合わせ」でもあります。

 ・「カツカレー」ってすごい「創造」だと思いますよ(笑)

 

 まとめ(評価されない小論文の添削ポイント)

◆前提の確認

 ・「出題意図」「課題文、図表・グラフ」「根拠となる事実」

◆課題の発見

 ・「課題文、図表・グラフ」の内容から共通点・差異点を取り出す

 ・二つ以上の事実を「比較」し「共通、対立、矛盾、逆説」に整理する

 ・比較した事実の中に課題がある

◆課題の解決

 ・比較した事実の中に「解決のヒント」がある

 ・「解決のヒント」が「解決」を導くことを論理的に証明する

 ・証明の道筋に「今ある資源」を含むことで「実現可能性」を示す

 

 というわけで、上記の内容をワークにしています。

 一文字も書いていませんが、議論は重ねています。

 議論は「正解を求めるもの」ではありません。他者と自己の差異を自覚することで、自己の不足を埋め、自分の考えに自信を持つことができるようにと思っています。

 小論文には正解がありません。正解がないからこそ「客観的事実」に基づいた「自分の考え」を構築することが大切と思っています。

 今日の内容はまだまだ初歩ですが…とにかく頑張れ受験生!

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