テーマ「退職の相談を社内の方にできますか??」
私はできませんでした。社内の人に伝えた時はもう自分の中では決まっていて、相談と言っても、それは報告や手続きなどをどう進めるかになっていました。
退職のルール
民間、公務員両方経験しましたが、どちらも「年度」で動いていました。
異動は年度末以外にもありましたが、引っ越しを伴う転勤は年度末でした。
私が意識していたのは、通常の採用計画や人事異動の中で、自分の退職処理が進んでいくこと。そのあたりは「昭和の人間」なんです。そんなわけで、早い時には6月頃には上司に伝えていました。
特に50歳をこえると「勧奨退職」が始まります。早めに伝えることで対象者になれば、退職金に少し色が付きます。
なぜ、社内の人には言えないのか
◆罪悪感
最初の退職は20代後半。転職のための退職でした。
最初に入った会社ですから、恩がありました。何もわからない新人に、辛抱強くいろんなことを教えてくれた先輩社員や、フォローしてくれた上司への申し訳なさがありました。しかも、その会社で学んだことと実績を認められての転職のお誘い、決断だった訳で…。
言い出すことが難しかったですね
◆噂になるのは…
会社には、人事話が大好きな人がいます。そこで話題になるのが嫌だったというのはあります。
まして「辞める」が噂になると、面倒なことが多いです。
後年、私は「副○○」というポジションに就くことが増えました。そこで必ず来るのは「次は君がトップだよ。そうなると次の次は~」というお話。また「地方転勤」が多い人間には「いつ東京に戻るの」「戻ったら出世するの」というオコトバ。いずれも悪気がないことはわかっていますが、根掘り葉掘り納得するまで話しかけてくる人は必ずいて、それでも愛想良く対応するのはとても疲れました。
ちなみに、私は「人事」にあんまり興味がありません。出世意欲がないこと、自分がやりたいことができれば満足だったことが大きいです。
社内の人に言わなくても大丈夫か?
公的に必要な人には早めの報告なのは言うまでもないです。
問題は私的にお世話になっている人ですね。要するに「義理人情」「筋を通す」という領域。これは、個々に価値観が異なることもあり、なかなか難しいですね。いろんな人を見ると二つのパターンがあります。
◆砂漠の商人型
異動・転勤すれば関係がなくなるので、最後にやりたい放題、言いたい放題で終わる人。
◆今後ともよろしくお願いいたします型
異動・転勤しても、その後の仕事などでつながりを保ち、縁を大切にする人。
私が経験した職場は、人事が公になるまで沈黙するのが暗黙のルールでした。当たり前ですけどね。
このルールの欠点は「引継ぎの時間が短いこと」ですが、それで仕事上のトラブルが発生したことはありません。要するに、自分の退職に伴う「新規採用・人事異動」が通常に行われていれば問題は発生しません。通常の流れの中の退職・転職の場合は、個々の職場の暗黙のルールに従えば良いと思います。
ただし、イレギュラーな退職の場合は、通常よりも広めの範囲の方にお知らせして、引継ぎなどを早めに開始することをオススメします。最低限、書類の保管場所、進行中の業務のデータだけでも良いです。社内は何とでもなるのですが、社外に影響が出るのは避けたいところです。
昭和の人間なので「後を濁さず」という意識が強かったです。
何より、世間は思うより狭いです。どこで誰がつながっているかわかりません。
その時、自分の本当の評価がわかります。恐いですね(笑)。